「星界報告」④

p117~

火星の霊たちは、私たちの地球の太古の人間に似ていた

火星の霊たちは、私たちの太陽系の諸地球出身の霊たちのうちで最良の者たちである。というのは、彼らの大半は天的な人間であり、私たちの地球の ”最古代教会” に属した人びとに似ていなくはないからである。

”最古代教会”に属していた人びとがどんな種類の言葉を有していたかが、叙述することもできないような流入によって私(著者)に示された。彼らの言葉は、現代の音声を持つ言葉のように明瞭に発音されるものではなく、無声のものであって、外的な呼吸によるものではなく、内的な呼吸によるものであった。従ってそれは思考の言葉であった。また、彼らの内的な呼吸がどんなものかを認めることもできた。それは、へそから発して心臓のほうへ進んで唇を通るが、話すとき聞こえ調子の高いものではなかった。その言葉は他人の耳に、外的な道を取って入り鼓膜を打ったのではなく、或る内的な道を取って、事実、現在エウスタキオ菅と呼ばれている通路から入って鼓膜を打ったのである。

彼らがこうした言葉によって、感情や思考の観念を、明瞭に発音された音声や聞こえの高い語よりもはるかに完全に表現することができた、ということが示された。

(訳注

最古代教会:太古の人類が有した一つの宗教、ないし宗教的な共同体をさす。スウェーデンボルグは、素朴ではあるが霊的で純粋な宗教が太古にも存在したと考えている)

火星の霊たちの呼吸もまた私(著者)に伝えられた。その呼吸は胸腔のあたりから発して、へそのほうへと進み、そこから気づかれないほど微かに息づきながら胸を通って口のほうへと流れてゆくのが認められた。

 

火星の霊たちは、”宇宙的人間”の中の、知性的能力と意志的能力との中間領域に関係する。従って彼らは、”情愛から発する思考”に関係し、彼らのうちでも最良の者たちは、”思考の情愛”に関係する。彼らの顔がその思考と一つになって活動し、誰の面前でも外見を装うことができないのは、このためである。彼らは ”宇宙的人間”の中でこうしたものに関係しているので、大脳と小脳との中間領域が彼らに ”対応”している。なぜなら霊的な活動に関して、大脳と小脳とが結合している者たちにあっては、顔は思考と一つのものとして活動し、”思考の情愛”そのものが顔から輝き出し、情愛からは、眼から発出するいくつかのしるしの助けを得て、思考の全般的なものが輝き出るからである。この理由から、火星の霊たちが私(著者)のもとに居あわせたとき、その前頭部が後頭部のほうへ引っ込み、従って大脳が小脳のほうへ引っ込むのを、はっきりと認めたのである。

 

その天使的な霊たちは火星の居住者の生活について私(著者)と語りあい、

「私たちは帝国という政体下に生活しておりません。しかし大小の社会に住み分けています。その社会では心の一致する人びとと交わりますが、心が一致するかどうかは、相手の顔と言葉からすぐにわかります。ですから、欺かれるようなことはほとんどありません」

「私たちの交わりは喜ばしいものです。私たちは互いに、いろいろな社会で行われることについて、特に天界で行われることについて語りあいます。なぜなら私たちの多くは、天界の天使たちと明らかな交流を持っているからです」

と語った。

そこでは人びとはみな、自分自身の持ち物で満足して暮らし、また、他人から正しい者、隣人を愛する者として尊ばれるという名誉に満足して暮らしている。

 

「私たちの地球で私たちは、木の実を、特に大地からはえる或る種の円い果実や、豆科の植物を常食にしています。また或る種の木の樹皮の繊維から作った着物を着ています。この繊維は非常に堅いので織ることができ、また私たちが持っている一種のゴムで接着することもできます。さらに私たちは、流動体の火を作る方法を知っています。この火から夕暮れ時や夜間に光を得ているのです」

 

 

 

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